製造業DX
公開日:2025.12.30
「賃上げしたいが、原資がない」と嘆く前に。製造業が見直すべき『時間付加価値』という経営指標

原材料高、価格転嫁の壁、そして賃上げ圧力という「三重苦」
「材料費は上がる。電気代も上がる。しかし、得意先に値上げをお願いすれば『他所へ頼む』と言われてしまう」
これは、私たちが日々お話しさせていただく、多くの製造業経営者様から伺う切実な悩みです。
さらに昨今は、物価高に伴う「賃上げ」の波が押し寄せています。社員の生活を守るため、そして貴重な人材の流出を防ぐためにも、給与を上げなければならないことは経営者として痛いほど分かっている。
しかし、「ない袖は振れない」というのが偽らざる本音ではないでしょうか。
「利益が出たら還元する」と社員に伝えても、その「利益」がいつ、どれだけ出るのか、経営者自身も正確に見えていない――。もし、今の状況がこうした「感覚的な経営」に近いのであれば、システムや設備の入れ替えよりも先に、「経営のモノサシ」を変える必要があります。
本稿では、厳しいコスト競争にさらされる印刷業界で、私たちが自ら実践し成果を上げてきた「時間付加価値(稼ぐ力)」を中心とした経営管理手法について、具体的なロジックを交えて解説します。
なぜ、「忙しいのに儲からない」のか?
多くの工場では、「売上」と「残業時間」は把握していても、「どの製品が、どれだけの時間を費やして、いくらの利益を生んだか」までは紐づいていません。
見積もりは、過去の類似案件を参考にした「経験と勘」。
製造現場は「納期に間に合わせること」が最優先で、かかった時間は二の次。
月末に税理士から試算表が届いて初めて、「今月は赤字だった」と気づく。
これでは、どこにメスを入れれば利益が出るのか判断できません。
特に危険なのが、「見かけの売上は高いが、実は手間ばかりかかって利益が出ていない製品(隠れ赤字案件)」の存在です。これらが工場のリソースを食いつぶし、本当に利益が出る案件を受けるチャンスを奪っているのです。
この状態を脱却するために必要なのが、売上至上主義から「付加価値(粗利)至上主義」への転換です。
経営者と社員のベクトルを合わせる「魔法の数式」
私たちが開発した統合経営管理システム「PSI VISION」は、単なる事務処理ソフトではありません。経営者と従業員が「豊かになる」という共通のゴールを目指すための羅針盤です。
その核となるのが、以下のロジックです。
【時間付加価値 × 労働分配率 ≒ 平均時給】
少し専門的になりますが、解説させてください。
まず、企業活動の原点は「付加価値(売上 − 外部購入価値)」を生み出すことです。しかし、総額としての付加価値だけを見ていては、生産性は分かりません。そこで、その付加価値を生むためにどれだけの時間を費やしたか、つまり「時間あたり、いくら稼いだか(時間付加価値)」を算出します。
そして、生み出された付加価値のうち、どれだけを給与として社員に還元するかという比率が「労働分配率」です。
この数式が示す事実はシンプルです。「時給(給与)を上げたければ、時間付加価値(稼ぐ力)を高めるしかない」ということです。
PSI VISIONを導入すると、日々の作業日報からリアルタイムで「この仕事の時間付加価値」が算出され、ダッシュボードに表示されます。
「あ、今の作業は時間がかかりすぎて、時給換算すると赤字だ」
「工夫して時間を短縮したら、付加価値がこれだけ上がった!」
このように、社員一人ひとりが自分の仕事の「価値」を数字で実感できるようになります。すると、現場から自然と「もっと効率的な方法はないか?(創造的な仕事)」という改善提案が生まれるようになります。「社長がうるさいからやる」のではなく、「自分たちの給料を上げるためにやる」。この意識変革こそが、高収益工場への最短ルートなのです。

印刷会社が開発した、実戦仕様のシステム
「そうは言っても、現場にこれ以上の入力をさせるのは無理だ」
そう思われるかもしれません。私たちフジイ印刷も、まさに現場叩き上げの製造業です。現場の職人が「面倒だ」と感じるシステムは、絶対に定着しないことを誰よりも知っています。
だからこそ、PSI VISIONは「現場ファースト」を徹底しました。
iPadやスマートフォンを使い、QRコードを読み取るだけで実績入力が完了します。日報を書くために残業する必要はありません。
実際、ある導入企業様では、このシステム化によって事務作業を極限まで減らす「事務ゼロ」を実現し、空いたスペースと時間を、社員の休憩やミーティングという「より良い環境づくり」に投資されています。
また、導入コストについても、中小企業が無理なく導入できるよう、FileMakerプラットフォームを採用することで、一般的な大手ERPの1/3以下に抑えています。これは、「良いものは高い」という常識への挑戦であり、私たちと同じ中小製造業の仲間への応援歌でもあります。

未来への投資を、今始めよう
「値上げできない」「人が採れない」「給料が上げられない」。
この三重苦を嘆いているだけでは、未来は拓けません。
必要なのは、現状を直視し、数字に基づいた正しい判断を下す勇気です。
PSI VISIONは、あなたの工場の「稼ぐ力」を見える化し、全従業員の物心両面の幸福を実現するための強力な武器となります。
まずは、あなたの会社の「今の数字」がどのように見えるか、無料デモンストレーションで確かめてみませんか?
現状の課題を伺うだけでも構いません。同じ製造業の視点で、丁寧に課題のご相談について伺います。

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フジイ印刷株式会社
私たちは、岡山県瀬戸内市を拠点とする、創業からの実績を持つ総合印刷会社です。「全従業員の物心両面の幸福」と「利他の心」を経営理念に掲げ、単なる印刷物の製造にとどまらず、お客様の業務効率化と発展に貢献するソリューションを提案しています。 事務用伝票、封筒、カタログから、現場DXを支援するバリアブル印刷まで、企業の「伝えたい」「残したい」を形にします。
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クラウドERP「PSI VISION(サイビジョン)」
製品サイト:https://www.fujii-print.com/product/detail/psivision

この記事の監修者
藤井 聡|代表取締役
業務印刷の未来を探求し、中小製造業向けのALL IN ONEクラウドERPやAIO向けLP制作ツールをリリース。2019年に社内の事務職ゼロを達成し、クラウド実践大賞岡山大会で発表。京セラの稲盛和夫氏とゲーム作家の米光一成氏の考え方を取り入れた会社の仕組みづくりを推進中。
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