印刷知識

公開日:2024.12.31

半立体活版印刷への道〜活版印刷機を使ってアクスタ、アクキーに対抗してみる〜

1枚の画像から立体印刷を実現!

活版印刷、小ロット箔押し、トムソン加工など特殊印刷で、思わず触りたくなる印刷物を制作するフジイ印刷です。

以前からアクリルキーホルダーやアクリルスタンドを見ては「紙の印刷でアクキーやアクスタを超える存在感のキャラグッズを作りたい!」を思っていましたが、今回年賀状にかこつけた挑戦的な印刷技術で1枚の画像データから手で触っても感じられる立体的なキャラグッズの制作に成功しました!

特に面白いのは写真をデジタル処理することで、簡単にリアルな陰影を凹凸で表現することができることです。カラー印刷はオンデマンド印刷でもOKなのでコストも抑えることができました。では具体的にどんな印刷なのか?3つのステップで説明します。

1、ホワイト先刷りのカラー印刷×活版空押しで手触りの差をつくる

以前オンデマンド印刷のホワイト先刷りをするとそのツルっとした手触りと、用紙の引っかかりのある手触りの差で立体感を感じることがわかっていました。

特に今回採用したのは、大和板紙さんのCLOUD GRAY イエローグレー」

ソフトな手触りが印刷部分とそれ以外の差を際立たせます。

ただそれだけでは立体感と呼ぶにはまだ弱い!

ホワイト先刷りの猫

そこで今回は活版印刷機で陰影を空押しすることで、さらに立体感を出すことにしました。

しかし猫の陰影などを手書きするのは大変です。では「画像処理で簡単に陰影データを作成できないか?」ということで、挑戦してみたところなんとか手法を確立できました。

毛並みと陰影の凸版

こうして毛並みと陰影凸版が完成しました!

早速押してみたところ、凹凸が加わったことでオンデマンド印刷のフラットな見た目にアクセントができ、手触りにも凹凸感が出てきました。

凹凸感を加える活版空押し

2、飛び出すエンボス加工でさらに立体に

ホワイト先刷りのオンデマンド印刷+活版空押し加工でかなりの立体感が出てきましたが、正直「UVニス厚盛り」や5mm厚のアクリルスタンドほどのインパクトはありません。

そこでさらにキャラクターそのものを飛び出させるエンボス加工を追加してみました。

データは先ほどの毛並み陰影版データを切り抜いたときに出来ているので、それをエンボス用の凹凸版にしていきます。

猫のエンボス版

せっかくなので、印刷がない箇所にもみんな大好き「肉球」を配置。いたずら心が止まりません。

エンボス加工する活版機

早速押してみると、出ました!猫が。

もう少し陰影部分を強調すればもっと面白い表現になったかもしれませんが、年末差し迫った時期に取り掛かってしまったため今回はこのまま進めていきます。

エンボス加工済みの猫

60年以上前のドイツハイデルベルク社のプラテン活版印刷機で加工すると、圧力が高いので凹凸がくっきり出ます。

ひとつ誤算だったのは、人は本能的に肉球に触ってしまう?ため、飛び出た猫より真っ先に肉球に触ってしまうことです。。。

3、箔押しと組み合わせて高級感も追加!

今回年賀状にかこつけてキャラを飛び出させる半立体印刷を作りましたが、せっかくならおめでたい印刷としてお届けしたいということで、箔押しも追加して高級感も出してみることにしました。

本当なら先日お願いした地元書家の奥田雄山先生にお願いしたいところでしたが、今回は年末ギリギリで間に合わず、毛筆フォントで進めます。

猫に触ってもらいたいので、いろいろ考えたすえ「一撫千考(ひとなでせんこう)」を押すことに。元は「一服千考(いっぷくせんこう)」という熟語で、1,000回考えるよりタバコを一服するほうが良い考えが浮かぶという言葉ですが、もっとリラックスできる?猫のひと撫でに置き換えた造語を作りました。

箔押しを加えた猫年賀状

これでついに新しい立体活版印刷技術を盛り込んだ年賀状の完成です!

アクキー、アクスタ以外に選べるファングッズに進化させたい

ここまで新たな挑戦として制作した、手触りで凹凸と立体感をを強調できる「半立体印刷」についてお話ししてきました。

完成した半立体印刷の年賀状は、お取引のあるお客様に無事発送できました。どんな感想をいただけるか今から楽しみです。

半立体印刷の年賀状

今回の半立体活版印刷では、毛並みや陰影を写真から簡単に生成しましたが、この処理を首や目鼻の境界部分だけ強調したり、毛並みを手書きして質感を高めたりすると、もっと猫好きにはたまらない手触りになったと思います。

でもこの猫の飼い主である社員は「我が子の分身ができた」と大変喜んでくれました。

この技術を応用すれば、人物や動物などのキャラクター以外にも、富士山などの風景やお城や神社仏閣などの建物、さらに果物やお菓子などの食べ物をカードにして飾ったり、ノベルティとして配ったりすることができます。

なにより量産できる技術なので、多めに作ればコストも抑えられますし、オンデマンド印刷を使うので、50枚くらいの小ロットでも対応できます。

面白いと思っていただけた方には、今回の年賀状をサンプルとして無料でご提供します。数に限りがありますが、ぜひ活版印刷無料サンプル請求フォームからご連絡ください!

この記事の監修者

藤井 聡|代表取締役

業務印刷の未来を探求し、中小製造業向けのALL IN ONEクラウドERPやAIO向けLP制作ツールをリリース。2019年に社内の事務職ゼロを達成し、クラウド実践大賞岡山大会で発表。京セラの稲盛和夫氏とゲーム作家の米光一成氏の手法を取り入れた会社の仕組みづくりを推進中。

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